「誰も福祉制度から取り残さない」をコンセプトに、福岡市民が困難な状況を自然言語で話すだけで、本来受けられる支援制度を網羅的に提示するAIアシスタント。福岡市「実証実験フルサポート事業(mirai@)」応募用デモ。
日本の社会保障の多くは 「申請主義」 で設計されています。条件を満たしていても、本人が制度を 知り、自ら申請して、はじめて 支援が始まる。裏を返せば、知らなければ・たどり着けなければ、権利があっても支援は届きません。
その帰結は数字に表れています。生活保護について、国の研究会の推計でも 捕捉率(受給資格のある世帯のうち実際に受給している割合)は所得ベースで2〜3割台 にとどまるとされ(推計手法により幅があります)、日本弁護士連合会は、ドイツ・フランス・英国(おおむね5〜9割)と比べて 著しく低い と指摘しています。生活保護は一例で、就学援助・児童扶養手当・各種給付金など、申請主義ゆえの取りこぼしは制度を横断して起きています。
制度が 窓口ごとに縦割り であることも壁を高くします。失業・離婚・介護・病気・育児・障害——状況が複雑な人ほど必要な制度は複数の部署にまたがり、どの窓口の職員も「所管外まで全て把握している」とは限りません。国もこれを課題と認識し、社会福祉法を改正して 「重層的支援体制整備事業」(2021年度〜)を制度化、縦割りを越えた包括的相談支援へ舵を切っています。
本DEMOは、その「申請主義の壁」と「縦割り」を AI で超えることを目指した社会実装プロトタイプです。一次ユーザーは生活困難な状況にある福岡市民、二次ユーザーは市の窓口職員(相談業務の補助ツール)。
出典: 厚生労働省「ナショナルミニマム研究会」資料(生活保護基準未満世帯の捕捉率推計) / 日本弁護士連合会の生活保護に関する意見における捕捉率の国際比較 / 厚生労働省「重層的支援体制整備事業」(改正社会福祉法・2021年度施行)。捕捉率は推計手法によって幅があり、ここでは方向性を示す目安として引用しています。厚生労働省 / 日本弁護士連合会
構想図ではありません。モックデータ完結・APIキー不要で、いますぐ実機で触れる状態です。代表的な3ケースは操作不要の 自動再生 に対応——営業・窓口説明の場でそのまま流せます。各ケースは「入力 → AIヒアリング → 制度提示 → 次アクション」まで一気通貫で動きます。
一言の入力から開始。AIが世帯・住居・貯蓄を最大3往復で確認し、求職者支援・住居確保給付金・国保減免 等を提示。申請書PDFと最寄り窓口を地図表示まで。→ だから「何から手をつけるか」が画面上で完結する。
介護・医療・経済の3軸でヒアリングし、介護保険・高額介護サービス費・家族介護者支援 をカード提示。地域包括支援センターへの導線まで繋ぐ。→ だから複数部署を回る前に全体像が見える。
就労・養育・住まいを確認し、児童扶養手当・ひとり親医療費助成・就業支援・家賃補助 を横断提示。必要書類のチェックリスト付き。→ だから申請主義ゆえの取りこぼしが起きにくい。
「相談を受ける」から「申請して窓口に着く」までを、ひとつの画面で完結させる構成です。
「失業しました」「介護が必要になりました」など、自由に話すだけ。AIが追加ヒアリングで深掘り(最大3往復)。
7カテゴリ・30件以上の福岡市支援制度をカード形式で提示(最低3件・最大15件)。条件・支給額・窓口・必要書類まで一画面で。
入力フォームから申請書類雛形を PDF でダウンロード。窓口へ持参するだけ。
Leafletマップで窓口にピン表示・経路リンク。スマホそのまま窓口へ。
失業30代男性/介護60代女性/ひとり親世帯——典型ケースを操作不要で自動再生。営業デモにそのまま使える。
相談件数・制度別マッチング率・カテゴリ分布の KPI 表示。制度 DB の CRUD。
専門用語も、制度名の事前知識も要りません。困りごとを話すところから、窓口に着くところまで——途中で詰まらせない導線設計です。
自然文で入力するだけ。AIが不足情報だけを最大3往復で追加ヒアリング。市民がフォーム項目を解釈する必要がない。→ だから相談のハードルが下がる。
7カテゴリ・30件以上から最低3〜最大15件をカード提示。条件・支給額・窓口・必要書類を一画面で。縦割りを越えて「自分が対象の制度」が一覧化される。→ だから取りこぼしに気づける。
入力済みの情報から申請書類の雛形を生成。手書きの転記や様式探しの手間を省く。→ だから「申請が面倒で諦める」を減らせる。
所管窓口をLeaflet地図にピン表示し、経路リンクへ。スマホをそのまま持って窓口へ行ける。→ だから「どこへ行けばいいか分からない」で止まらない。
誠実に言えば、これは「申請を保証する仕組み」ではありません。AIが担えるのは 気づきと到達の支援 まで。受給可否の判断、制度の運用、個人情報の管理は、行政と本人の領域です。この線引きを最初に自治体と合意することを、実装の前提条件にしています。
縦割りを越えた制度の横断提示/申請書雛形の生成/窓口への地図導線/3シナリオの自動再生。「知らずに取りこぼす」と「どこへ行けばいいか分からない」を減らす。
受給可否の最終判断は窓口と本人。制度DBの最新化は自治体との運用設計。提示はあくまで助言であり受給を保証しない。本デモは個人情報を預からない設計(モック完結)。本格運用時にここを個別に詰める。
福岡市から始め、政令市・中核市への横展開を視野に設計しています。数値は本デモの設計目標・想定であり、実証で検証する対象です。
本格運用時は AI API キーを差し込むだけで、制度 DB はそのまま使えます。
いきなり全機能を本番投入しません。小さく出して、現場が触る を各段階に挟みます。福岡市「実証実験フルサポート事業(mirai@)」での実証を想定し、原資は同事業・地方創生交付金等の活用を視野に入れています。費用・スコープは個別に確定します。
「AIが助言する範囲」「人・行政が判断する範囲」を担当課と合意。05の線引きをここで確定し、対象制度と個人情報の扱いも先に決める。
福岡市の実制度で制度DBを整備し、AI APIを接続。まず数カテゴリに絞って小さく動かし、職員が実際に使って評価する。
限定窓口で相談補助ツールとして試験運用。提示精度・取りこぼしの削減・職員の負荷を計測し、現場フィードバックで改善する。
福岡市で定着させ、制度DBの構造を保ったまま他の政令市・中核市へ。座組は「主体=自治体/伴走=allfesta/連携=交付金・関係機関」。