「住民の声を、政策の根拠に変える」をコンセプトに、パブリックコメントに寄せられた数百〜数千件の意見を 論点クラスタリング・論点要約・行政回答マッピング で自動整理する、自治体 政策・法令所管向けのプロトタイプ。福岡市「みどりの基本計画」改定パブコメ実データ(市民69名・246件)でそのまま動作します。
パブリックコメント(意見公募手続)は、行政が計画や命令等を定める前に 住民の声を制度として聴く 数少ない法定の機会です。ここで集まる意見は、本来 「次に何をすべきか」の一次情報 になり得ます。問題は、その声が 整理しきれずに眠ってしまう ことにあります。
国の意見公募手続でも実態が見えています。総務省の調査では、平成21年度に実施された意見公募手続等 765件のうち、提出意見があったのは418件。裏を返せば 半数近い案件は、提出意見がゼロまたはごく少数 でした。さらに、提出意見を考慮して案を修正するなど反映に至ったのは 136件(提出意見ありのうち約3割) にとどまります(年度・集計対象により幅があります)。「募ったが声が集まらない」「集まっても反映しきれない」——意見公募手続の形骸化は、総務省の施行状況調査でも継続して論点に挙げられています。
声が少ないのは関心が低いからとは限りません。意見の受け止め方に負荷がかかりすぎている 側面があります。担当課は、寄せられた自由記述を印刷・転記し、論点ごとに分類し、賛否を数え、「市の考え方」を一件ずつ書き、回覧する——案件によっては数百件を、本来業務の合間に、数週間かけて手作業で処理しています。スキャンPDF・表記の揺れ・個人を特定し得る記述も、すべて人手で前さばきしています。
本DEMOは、この「整理しきれず眠る声」を AI で扱えるようにする社会実装プロトタイプです。一次ユーザーは自治体の政策・法令所管の担当課職員、二次ユーザーは政策決定者(部長・審議会委員)。意見を 論点に束ね、要約し、行政回答との対応をマッピングする ところまでを担い、整理にかかる時間を圧縮して、住民の声を 政策判断の根拠として使える形 に変えることを目指します。
出典: 総務省「行政手続法(意見公募手続)の施行状況」(意見公募手続等の状況・提出意見数および反映件数) / 総務省「意見公募手続(いわゆるパブコメ)の概要」。提出件数・反映割合は調査年度・集計対象により幅があり、ここでは方向性を示す目安として引用しています。総務省 / e-Gov(電子政府の総合窓口)
構想図ではありません。福岡市が実際に公開した「みどりの基本計画」改定パブコメ(市民69名・246件・市の考え方公表済)の実データを事前構造化して内蔵しており、APIキー不要・ブラウザのみでフルストーリーを体験できます。「自分たちの現実の業務がそのままデモになっている」状態です。代表的な3シナリオは、いずれも実データの上で動きます。
246件の自由記述を取り込み、第1章〜第6章+その他の 13クラスタ に自動整理。各クラスタの件数・対応区分の内訳・代表意見トップ3が一画面に。→ だから「何が論点だったか」が数時間でなく数分で見える。
件数の多寡で流さず、対応区分(修正/原案通り/記載あり/その他)と賛否トーンで仕分け。少数でも「修正」に至った論点を強調表示。→ だから一件の鋭い指摘を見落とさない。
みどり計画・住生活基本計画・循環のまちプラン・景観計画——案件一覧で複数パブコメを並べ、自治体内で住民の関心の所在を横断管理。→ だから「どこに声が集まっているか」が施策の起点になる。
「意見を受け取る」から「市の考え方を整理して報告書に出す」までを、ひとつの画面で完結させる構成です。実処理(OCR・LLM)は擬似ですが、全工程の見え方をそのまま体験できます。
PDF/Excel/CSV/テキスト直貼りの4形式に対応。形式選択 → OCR → マスキング → 正規化 → 完了を画面で可視化。福岡市実データを246件中139件構造化済として取込。
スキャンされたPDFページをAI-OCRで読み取る工程を、プログレスバー+「OCR前画像/OCR後テキスト」のビフォーアフターで可視化。
地名・氏名・施設名・電話番号を自動検出して伏字化。項目ごとにON/OFFでき、マスキング前後を対比表示。個人特定情報を残さない前提を画面で担保。
意見を論点別に13クラスタへ自動分類。クラスタごとに件数・対応区分の積み上げバー・代表意見トップ3(AI要約付き)を表示。
「市の考え方」(実回答)と意見クラスタを紐付け。定型文のみで実質対応が薄い/対応のないクラスタを「対応薄」「未対応」バッジで強調。
クラスタ別集計・対応区分集計・代表意見をまとめ、PDF風/Word風/Excel風の3形態でプレビュー・出力。上司・審議会への報告書をそのまま。
印刷・転記・分類・カウント・回覧——手作業で数週間かかっていた月単位の集計作業を、画面の中で詰まらせずに進める導線設計です。
PDF・Excel・CSV・テキストのどれでも取込ウィザードへ。スキャンPDFはOCR、個人特定情報はマスキング、表記揺れは正規化を一連で通す。→ だから前さばきの手作業がなくなる。
数百件を13の論点クラスタへ。各クラスタの件数・対応区分の内訳・代表意見トップ3が一画面に並ぶ。分類を一件ずつ人がやらなくてよい。→ だから「何が論点だったか」が即座に見える。
「市の考え方」と各クラスタを紐付け、対応が薄い・無いクラスタを警告表示。→ だから「答え漏れている論点」に気づける。
集計と代表意見をPDF/Word/Excel風で出力。上司への報告・審議会資料・公表用の素材になる。→ だから整理から報告までが画面内で終わる。
誠実に言えば、これは「意見の採否を決める仕組み」ではありません。AIが担えるのは 整理・要約・対応の見える化 まで。どの意見を採用し政策をどう修正するか、市の考え方として何を公表するかは、行政の判断領域です。この線引きを最初に自治体と合意することを、実装の前提条件にしています。
意見の論点クラスタリング/対応区分・賛否トーンの集計/代表意見の要約抽出/行政回答との対応マッピング/3形式の報告書出力。「整理しきれず眠る声」を扱える形にする。
意見の採否と政策の修正判断は行政。AIは整理までで、提示は助言であり判断を代替しない。本デモは個人特定情報のマスキングを前提とし、個人情報を預からない設計(モック完結)。実OCR・実LLM接続と精度検証は本格運用時に個別に詰める。
福岡市の実データで成立を確かめ、政令市・中核市、ひいては全国の自治体への横展開を視野に設計しています。数値は本デモの設計目標・想定であり、実証で検証する対象です。
本格運用時は OCR/LLM の実APIを差し込むだけで、データモデル・画面はそのまま使えます。
いきなり全機能を本番投入しません。小さく出して、担当課が触る を各段階に挟みます。自治体の政策・法令所管との実証を想定し、まずは過去案件の再現で精度を検証してから運用に乗せます。費用・スコープは個別に確定します。
「AIが整理する範囲」「行政が採否・政策を判断する範囲」を所管課と合意。05の線引きをここで確定し、個人情報・マスキング方針と対象案件も先に決める。
すでに「市の考え方」を公表済の過去パブコメで再現し、クラスタリング・要約・対応マッピングの精度を職員が評価。実OCR・実LLMを接続して品質を確認する。
進行中のパブコメで整理補助ツールとして試験運用。集計工数の削減・対応漏れの発見・担当者の負荷を計測し、現場フィードバックで改善する。
所管課に定着させ、データモデルを保ったまま他部署・他の政令市・中核市へ。座組は「主体=自治体/伴走=allfesta/連携=関係機関」。