前提は統計に出ている現実です。成人の 週1回以上のスポーツ実施率は52.0%(令和5年度)。第3期スポーツ基本計画の目標「70%」に対し18ポイント未達です。「近所で・今できる」情報が、無関心層・初心者に届いていません。
受け皿は存在します。住民が日常的にスポーツに参加できる 総合型地域スポーツクラブは全国に約3,448(令和6年)。ところが、その存在・活動情報は自治体・体育協会・クラブ・指定管理者の各サイトやチラシに 分散 し、住民が横断で探せません。クラブ数は近年微減傾向で、認知・集客が課題です。
そして 部活動の「地域展開」は令和8年度から本格化(休日の学校部活動を原則すべての公立中学校で地域へ)。受け皿となるクラブ・教室を探す生徒・保護者が一気に増えます。問いは「活動の場があるか」ではなく、「散らばる情報を、住民の言葉でどう一つにつなぐか」 です。
出典: スポーツ庁「令和5年度 スポーツの実施状況等に関する世論調査」 / スポーツ庁「総合型地域スポーツクラブ実態調査」「部活動改革」
議論を具体にするため、架空の自治体を一つ設定します。部活動の地域展開を控えた市のスポーツ振興担当。実在の特定自治体ではありませんが、「教室も大会もクラブも施設予約も、情報がバラバラで住民が探せず、窓口に電話が集中する」構図は、前章のデータが示すとおりごく一般的なものです。
教室・大会情報はチラシやPDF中心で検索性が低く、更新も属人的。
自治体・体協・クラブ・指定管理者に情報が散り、住民が横断で探せない。
部活動の地域展開(令和8年度〜)で、活動先を探す生徒・保護者が急増。
マッチしないまま定員割れ・休止が進み、せっかくのクラブが減っていく。
「情報が探しにくい」だけの話に見えて、失われるのは 住民の運動機会と受け皿 です。何もしなければ、次の層が同時に進みます。
3つのレイヤーで設計します。鍵は、各レイヤーが 「だから何が変わるか」 まで接続していること。最終判断は人が担う前提です。
教室・大会・クラブ・施設予約の公開情報を自動で集約し、一元化。→ だから「どこに何があるか」が初めて一覧で見える。
「土曜の朝に、子どもと行ける近所の教室」を自然な言い方で横断検索。→ だから複数サイトを回らずに到達できる。
年齢・目的・エリアに合う活動先を提示し、申込・問い合わせへ接続。→ だから無関心層・初心者にも届く。
誠実に言えば、AIで運動習慣が生まれるわけではありません。担えるのは 分散情報の集約と横断検索、マッチングの入口 まで。クラブの運営・指導、施設の管理、活動の質は各団体が担います。集約は公開情報を対象とし、最新・正確は各団体の公式情報で確認する前提を明示します。
分散したスポーツ情報の自動集約/住民の言葉での横断検索/年齢・目的・エリアでのマッチングと申込導線。「探せない」を解消する。
クラブ・教室の運営と指導、施設の管理運営、活動の質と安全の担保。情報の最終確認は各団体・自治体。
断定的なKPIではなく、共同検証で 確かめたい仮説 として提示します。数値は方向性の目安であり、各仮説に 測り方 をセットにしています。「効果がある」と言い切るのではなく、一緒に確かめにいく対象です。
住民が活動先に到達するまでの手間・時間を計測。想定の目安: 短縮/未実証
窓口への電話・メール照会の件数を前年比で計測。想定の目安: 減少/未実証
検索からクラブ・教室の申込・参加への転換を計測。想定の目安: 増加/未実証
新規・無関心層の参加のきっかけになったかを評価。定性評価/未実証
いきなり全種目・全団体に広げません。一エリア・主要な情報源で網羅性と鮮度を確かめてから 広げる設計で、主役をスポーツ振興担当と各団体から動かしません。集約は公開情報を対象とします。
情報源の所在・更新頻度・利用条件と成果指標を合意。費用・スコープも個別に確定。
対象エリアで集約・横断検索の網羅性と鮮度を評価。
住民向けに公開して試用し、仮説 H1・H2 を計測。
部活動の地域展開の受け皿情報に接続し全域へ。座組は「主体=自治体/伴走=allfesta/連携=体育協会・クラブ」。