空飛ぶクルマ(有人eVTOL)は無人ドローンと違い、法的には航空機——ヘリコプターに近い扱いです。だから路線や離着陸場を計画するとき効くのは「制限表面」ではなく、最低安全高度・空港の進入経路・緊急着陸適地。本ツールは福岡を舞台に、離着陸場を置いて地点を結ぶと、この三層で「飛べる高度の帯が残るか」を航路の縦断面で可視化し、実在拠点のOD路線網まで一気に描きます。

空飛ぶクルマ(有人eVTOL)は、2023年11月の航空法施行規則改正で「垂直離着陸飛行機/マルチローター」と規定され、型式証明も回転翼機ベースで審査されます。つまり無人ドローンの飛行ルールではなく、ヘリコプターと同じ有人機の枠組み。ここで効くのは空港の「制限表面(=地上構造物の高さ制限)」ではなく、最低安全高度(人家密集地は最高障害物+300m、非密集は150m)です。
福岡は空港が街の真上にあるため、都心では最低安全高度が400m級まで立ち上がり、一方で空港の進入経路が上から高度を抑えます。この「床と天井の板挟み」や、緊急着陸できる場所の連続性、離着陸場の適地——といった判断は、路線ごとに複数のデータと制度を行き来する重い作業です。
本ツールはここに、公的データを重ねた地図の上で、離着陸場を結ぶそばから成立可否を可視化できる入口を置きます。まず「福岡でどこが繋がり、どこが空港に切られるか」を一目で掴むことを目的としています。
構想図ではありません。本番URL(evtol.dx-fukuoka.com)でいま動く単一ページのツールです。離着陸場(バーティポート)を置いて地点を結ぶと、航路の縦断面に最低安全高度(床)・空港の進入経路(天井)・飛べる帯・緊急着陸適地が描かれます。機体タイプ(eVTOL/ヘリ)を切り替えると、騒音幅・緊急着陸の到達・航続の違いが数値で出ます。
離着陸場の候補は、既存ヘリポート・港湾(ふ頭)・大屋根ビル・大型公園など実在拠点を、障害物の抜け・高度負担・空域・需要近接で採点。さらにOD分析で上位拠点の全ペアを自動評価し、「福岡の空の路線網」(成立/要注意/不成立)を一枚に描きます。データは空港制限表面(航空法施行規則)、地形(国土地理院DEM)、建物(Project PLATEAU 福岡市2024)、DID(国土数値情報)、着陸適地・離着陸場(OpenStreetMap)など公的データを使用しています。
大事な前提:床・天井・地形・建物・DID・着陸適地は実データですが、有人eVTOLの航路ルール自体は日本でまだ未確定(大阪・関西万博/ReAMoで実証段階)です。必要巡航高度・回廊幅・騒音・適地スコアは想定シナリオで、飛行可否や事業成立の最終判断には使えません。
本ツールは路線・離着陸場の当たりをつけるための可視化ツールであり、正式な運航可否や事業性の判定を行うものではありません。結果は公式の制度・手続きでの確認を前提とした参考情報です。
最低安全高度・空港進入経路・緊急着陸適地で航路の縦断面を判定。機体タイプ比較(eVTOL/ヘリ)、離着陸場候補の適地スコアリング、実在拠点のOD路線網まで。APIキー不要のWebツール。
eVTOLの航路・回廊の制度が確定した後の正式判定、受音側人口に基づく精密な騒音評価、需要・採算の予測は現スコープ外。空港の進入経路はAIP告示での校正が必要です。