AI自動架電
— 相手の話を聞いて、その場で返す電話AIAIが電話をかけ、相手の話を聞いて、その場で返事を考え、声で返す試作です。台本どおりに読み上げるのではなく、相手の言葉に合わせて受け答えします。相づち・聞き取った数字の復唱・黙ったときの助け舟・AIかと聞かれたら正直に答えるまでを作り込み、実際の1本の通話を動画にしました。いまはブラウザの中で動くデモで、電話回線への接続など、ここから先はご依頼があれば用途に合わせて作ります。

電話のAIは、中身より間で止まる。
自動音声の電話は、これまで録音を流すか、番号を押してもらうものでした。生成AIで、相手の話を聞いてその場で返事を作れるようになり、決まった用件の電話ならAIに任せられるところまで来ています。
試作して分かったのは、壁は返事の中身より間と声だということです。返事が出るまで1秒を超えると、相手は機械だと気づきます。抑揚が平らでも、相づちが無くても気づきます。逆に、相手が答えに詰まったときに黙ったまま待つのも不自然です。
本DEMOは、その間・声・受け答えのくせを、人の電話にどこまで寄せられるかを確かめた試作です。
実際の1本を、そのまま。
新卒採用の支援会社が、製造業の会社に電話をかける場面です。AIに渡した台本は、法人営業のうまい人の型で書いています。受付で「営業はお断り」と言われても担当者の名前を聞き、担当者には時間の許可を取ってから質問で入り、困りごとに同業の事例を1つだけ返し、「資料だけ」と言われたら確認のお電話の日時を決めて切るまでを通しています。画面右上の秒数は、相手が話し終えてからAIの声が出るまでの実測です。
断られても、名前は聞く
受付の「営業のお電話でしたらお断りしているんですが」には押し返さず、「資料の宛名に、新卒採用のご担当部署とお名前だけ伺えますか」と頼む。結果として担当者につながっている。
聞き取った数字を確かめ直す
「1、2名」は音声認識で「12名」と聞き取られた。AIは「小さい会社」という流れから不自然さに気づき、「毎年1、2名ほどの採用ということでよろしいですか」と確かめ直している。
「資料だけ」には、次の約束を
資料送付で話を終わらせず、「届いたあと、来週の火曜と木曜ならどちらにお電話よろしいですか」と日時を二択で聞く。押すのは1回だけ、という決まりも入れている。
AIかと聞かれたら、正直に
「これってAIですか」と聞かれたら、ごまかさずに認めて本題に戻る。架電は依頼主の名前でかけるので、ばれたときの損が依頼主に乗らない設計にしている。
実装した6つの工夫。
会話の中身はAI(Claude)、声は日本語専用の音声合成(AivisSpeech)。その間をつなぐ部分に、人の電話らしさを足しています。
相づち
相手が話している途中の区切りで、小さく「はい」「ええ」を挟む。返事の用意が遅れたときは、先に一言だけ返して間を埋める。
割り込み
AIが話している途中でも、相手が話し始めたら黙って聞く。どこまで話したかを覚えていて、続きはそこから考える。
黙ったら助け舟
相手が答えに詰まったら、質問を言い換える・例を出す。さらに黙っていたら聞こえているかを確かめ、20秒続いたら礼を言って切る。
聞き取りの確かめ直し
数字・日時・名前は聞き間違いが起きやすい。流れに照らして不自然なら確かめ、大事な数字は自然に言い直して確認する。
出だしを先に鳴らす
音声合成は文が長いほど遅いので、返事の一言目を短くして先に鳴らす。よく出る一言は作り置きしておく。
間の実測
相手が話し終えてから声が出るまで、文と文のあいだの無音を毎回記録する。直すべき場所を数字で見つけるため。
今できること、まだやらないこと。
本DEMOは会話の質と間を確かめるための試作です。いちばんの課題は返事の速さで、日本語が正確なAIほど考える時間が長く、録画でも返事まで6.6秒かかった場面があります。速いAIは1秒前後で返せますが、言葉が長くなり敬語も崩れやすい。この釣り合いを本番に向けて詰めています。
ブラウザ上での通話・相づち・割り込み・間の実測
マイクで話しかけると、AIが台本に沿ってその場で返す。会話と秒数は記録に残る。
電話回線・同時発信・保留や留守電の判定
電話網への接続、複数本の同時発信、保留音・転送・留守電の見分け、電話の音質での聞き取りは、使い道が決まったら作る。
一緒に、祭を起こしませんか。



